手作りごはん

犬の手作りごはんの必須アイテム!卵殻パウダーって?

犬の手作りごはん 卵殻パウダー

お悩み読者
犬の手作りごはんを作るときに卵殻パウダーが良いと聞きましたが、卵殻パウダーってなんですか?犬にあげても問題ないですか?どのくらいあげれば良いですか?

こんなお悩みを解決します。

本記事の信頼性

この記事を書いている私は、20年以上犬と生活しており、

現在もジャックラッセルテリアのなっつと暮らしています。

また犬の管理栄養士の資格も取得しており、毎回栄養計算を行いながら

手作りごはんを作っております。

本記事の内容

・卵殻パウダーとは

・手作りごはんに卵殻パウダーが必要な理由

・安全性

・カルシウムの必要量と卵殻パウダーのあげる量の目安表

・卵殻パウダーの作り方

① 卵殻パウダーって?

卵殻パウダーとは?

字の通り、卵の殻をパウダー状にしたものです。
卵殻の主成分はカルシウムでできており、カルシウムの補給や食品の食感を良くする目的として使われています。

卵殻パウダーの成分表

エネルギー       0kcal

タンパク質       0kcal

脂質          0kcal

炭水化物        0kcal

ナトリウム       96.4kcal

カリウム                   41.4kcal

カルシウム                34200mg

マグネシウム                   376mg

リン                       150mg

鉄                       1.6mg

② 手作りごはんに卵殻パウダーが必要な理由

卵殻パウダーが必要な理由

❶必要なカルシウム量を食材だけで摂取するのが難しい

犬の栄養基準を公表しているA A F C O(全米飼料監査官協会)は、

犬に必要なカルシウムの摂取量は、成犬時でおよそ体重(kg)×242mg、子犬の時は体重(kg)×484mgと定めています。

この摂取量がどれだけ多い量かと言うと、

成人の人が必要なカルシウム量は1kgあたり10mgなのです。

ですので、犬は人間の約24倍のカルシウム 量が必要だということです。
成犬の5kgの犬が1日に必要な量は1210mgに対して、50kgの成人が必要な量は500mgです。
体重差が10倍あっても5kgの犬の方が50kgの人の2.4倍のカルシウムが必要なのです。

カルシウムが多い食品

食材 カルシウム含有量
さくらエビ 2,000mg
しらす干し 520mg
にぼし 2,200mg
いわし 70mg
たまご 51mg
納豆 90mg
木綿豆腐 120mg
油揚げ 300mg
ひじき(乾燥) 1400mg
いりごま 2100mg
切り干し大根 540mg
プロセスチーズ 630mg
ヨーグルト 120mg
青梗菜 100mg
モロヘイヤ 260mg
小松菜 170mg

※100gあたりの含有量です。

人間の場合はここから数種類の食材を食べれば、十分カルシウムを補えますが

犬の場合は現実的ではありません。

同じ食材をたくさん摂取するとアレルギー症状が出たり、他の栄養素の過剰に繋がる恐れがあるからです。

またたくさんの種類を少しずつ使ってカルシウムを補うことは可能かもしれませんが、

コストや手間がとてもかかるため、飼い主さんのストレスになってしまう場合もあります。

ですので、食材のみでカルシウムを補うのは難しいのです。

❷ 理想のカルシウム:リン比は1:1!食べ物はリンを含んでいるものが多い

犬の栄養基準を公表しているA A F C O(全米飼料監査官協会)は、カルシウムとリンの比率が1:1という栄養基準を定めています。

手作りごはんを作る上で、一番多くあげるタンパク源はリンが多く含まれているため、

この1:1の調節がとても難しいです。

先ほどのカルシウムが多い食材のカルシウムとリンの含有量は下記の通りです。

食材 カルシウム含有量 リン含有量 カルシウム:リン比率
さくらエビ 2,000mg 1200mg 1.6:1
しらす干し 520mg 860mg 1.6:1
にぼし 2,200mg 1500mg 1.5:1
いわし 70mg 230mg 1:3
たまご 51mg 180mg 1:3.5
納豆 90mg 190mg 1:2
木綿豆腐 120mg 110mg 1:1
油揚げ 300mg 230mg 1.3:1
ひじき(乾燥) 1400mg 100mg 14:1
いりごま 2100mg 560mg 3.8:1
切り干し大根 540mg 210mg 2.6:1
プロセスチーズ 630mg 730mg 1:1.1
ヨーグルト 120mg 100mg 1.1:1
青梗菜 100mg 27mg 3.7:1
モロヘイヤ 260mg 110mg 2.4:1
小松菜 170mg 45mg 3.8:1

※100gあたりの含有量です。

またタンパク質源となる食材のカルシウムとリンの含有量は下記の通りです。

食材 カルシウム含有量 リン含有量 カルシウム:リン比率
牛肉 4mg 180mg 1:45
牛レバー 5mg 330mg 1:66
豚もも 4mg 200mg 1:50
豚肩ロース 4mg 160mg 1:40
豚レバー 5mg 340mg 1:68
鶏むね肉 4mg 200mg 1:50
ささみ 3mg 220mg 1:73
鶏モモ肉 5mg 160mg 1:32
鶏レバー 5mg 300mg 1:60
タラ 32mg 230mg 1:7.1
10mg 260mg 1:26
ラム 8mg 100mg 1:12.5
鹿肉 4mg 1200mg 1:50

※100gあたりの含有量です。

例えば5kgの成犬に手作りごはんを作るとします。

タンパク質は約22.5gが必要量となります。

鶏むね肉を使った場合、

鶏むね肉は100gあたり22.3gのタンパク質が含まれていますので、

使用量は101gです。

カルシウムは4mg、リンは202mg含まれます。

この比率を1:1にするためにひじきを使用するとします。

その場合約14gのひじきが必要になります。

「あれ?14gなら少量だから問題ないんじゃない?」

と思うかもしれません。

ただこれは乾燥ひじきの場合です。

ひじきは戻すと8倍の量になるため、

ご飯を作るときは112gになってしまいます。

そんな量を与えてしまったら消化不良を起こし、かえって健康を損なってしまう可能性があります。

この難しい比率の調整を解消してくれるのが卵殻パウダーなのです。

卵殻パウダーはカルシウムを34200mg、リンを150mg含んでいます。

ひじきを112g使用しないと調整できなかったのに対して、

卵殻パウダーを使うと0.6g程度で済みます。

また5kgの犬には1210mgのカルシウムが必要なので、

残り1000mg弱を食品で補うのはとても難しいです。

③ 安全性

卵殻パウダーの安全性

❶アレルギー

卵を食べて卵アレルギーを起こす犬もいますが、この原因の多くは、

卵白に含まれる「オボアルブミン」と「オボムコイド」というタンパク質とされています。

卵殻にはタンパク質が含まれておらず、卵の殻の内側の卵殻膜はタンパク質でできています。

ただ加熱するとタンパク質は無くなりますので、アレルギーの心配の必要はありません。

手作りで卵殻パウダーを作る場合は

・よく加熱する

・気になる方は卵殻膜を取り除く

に注意して作ってみてください。

❷サルモネラ菌

卵はサルモネラ菌という食中毒の原因となりやすい食品の一つです。

主な感染経路は、卵殻内に進入する場合と、からの表面に付着している場合があります。

サルモネラ菌は75度で1分以上、65度以上で5分以上加熱すると死滅します。

市販のものは加熱処理したものが売られていますが、手作りで作る場合はしっかりと加熱して作ると良いでしょう。

犬に卵殻パウダーを与えることは問題ありませんが、殻をそのまま食べさせるのは危険なので絶対にやめましょう。

④ あげる量の目安

卵殻パウダーをあげる目安量

卵殻パウダーはドッグフードにプラスして与える必要はありません。

ドッグフードには必要量のカルシウムが添加されているからです。

カルシウムは過剰に与えても良くありません。

あくまで手作りごはんを犬に与える時に使ったほうが良いものと考えてください。

カルシウムの欠乏と過剰の場合はそれぞれ下記のような症状が出る可能性があります。

カルシウムの欠乏

成長の抑制、食欲低下、自然骨折、痙攣など

カルシウムの過剰

食事量の低下、腎臓機能の低下、結石、骨の変形など

 体重別カルシウム必要量と卵殻パウダー摂取量目安の早見表

手作りごはんはなるべく成犬になってからの方が好ましいので、

成犬の体重別カルシウム必要量をご紹介します。

体重 カルシウム必要量 卵殻パウダー目安量
3kg 726mg 2.1g
4kg 968mg 2.8g
5kg 1210mg 3.5g
6kg 1452mg 4.2g
7kg 1694mg 5g
8kg 1936mg 5.7g
9kg 2178mg 6.4g
10kg 2420mg 7.1g
11kg 2662mg 7.8g
12kg 2904mg 8.5g
13kg 3146mg 9.2g
14kg 3388mg 9.9g
15kg 3630mg 11g
16kg 3872mg 11.3g
17kg 4114mg 12g
18kg 4356mg 12.7g
19kg 4598mg 13.4g
20kg 4840mg 14.1g
21kg 5082mg 14.9g
22kg 5324mg 15.6g
23kg 5566mg 16.3g
24kg 5808mg 17g
25kg 6050mg 17.7g
26kg 6293mg 18.4g
27kg 6534mg 19.1g
28kg 6776mg 19.8g
29kg 7018mg 20.5g
30kg 7260mg 21.2g

※あくまでカルシウムの必要量に対する卵殻パウダーを与える量の算出です。

使用する食材にもカルシウムは含まれますので、調節が必要です。

また計算式は下記のとおりです。

愛犬に必要なカルシウム量×100÷34200=卵殻パウダー与える量

例)カルシウムを残り1000mg分を卵殻パウダーで補いたい場合

1000×100÷34200=2.9239….

卵殻パウダーは2.9gあげると良い計算になります。

⑤ 卵殻パウダーの作り方

卵殻パウダーの作り方

卵殻パウダーは手作りも可能です。

❶卵の殻の下処理

①卵の殻を水できれいに洗う(内側を入念に洗いましょう)

②お皿などにキッチンペーパーを敷き、その上に卵の殻を置き、乾燥させる。

③完全に乾いたら密閉容器などに入れ、保存する

②作り方

材料

卵の殻 5〜10個程度

①鍋に水を入れ沸騰させ、卵の殻を10分煮る

②卵の殻をザルにあけ、水気を切ったら電子レンジで4分加熱する

③フードプロセッサーやミキサーで粉末状にする

ポイント

・水気が残るとカビなどの原因になるので注意しましょう。

・レンジで4分加熱しても水気が残っている場合は、再度1分程度加熱し水気を完全に取りましょう。

③ 保存方法

密閉容器に入れ保存し、湿度の少ないところに置くようにしましょう。

乾燥剤や珪藻土スプーンを容器の中に入れておくと良いでしょう。

日持ちは1ヶ月程度です。

しかし乾燥剤を入れていない場合や湿度が高い時期は早めに使い切るようにしましょう。

手作りが面倒、保存に不安がある方は購入がベストです

市販で売られている卵殻パウダーは加熱処理がされているので、アレルギーなどの危険はないです。

また原材料も卵殻のみなので、手作りと大差ありません。

手作りの場合は水分が残っているとカビが生える可能性があるので、

市販のものを買ってしまった方が手軽でしょう。

犬用 わんちゃん用 ピヨカル 卵殻パウダー Piyocal 手作りごはん

価格:660円
(2021/7/12 22:00時点)

まとめ

今回は卵殻パウダーについてお話しさせていただきました。

手作りごはんにおいて卵殻パウダーは手軽にカルシウム摂取できるものですので、

手作りごはんには欠かせないものです。

愛犬の健康のためにも卵殻パウダーを賢く利用していきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました!

-手作りごはん

© 2024 Powered by AFFINGER5